Blogspot - uchida-tatsuru.blogspot.com - 内田樹の研究室
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Latest News:
メディアの病 26 Oct 2010 | 02:21 pm
怒るまいと思っても、つい。 今朝の毎日新聞の論説委員がコラムでが大学院教育の問題点について指摘していた。 90年代からの大学院重点化政策についての批判である。 「『世界的水準の教育研究の推進』をうたい文句に大学院定員が拡大されたが、大量に誕生した博士たちを受け入れるポストは用意されなかった。路頭に迷いアルバイトで食いつなぐフリーター博士なる言葉まで生まれた。」 この現実認識はその通りである。 国策...
教育のコストは誰が負担するのか? 22 Oct 2010 | 01:15 pm
増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。 もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。 すくなくとも現状の奨学金は奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。 ...
公共性と痩我慢について 11 Oct 2010 | 03:15 pm
高橋源一郎さんの「午前0時の小説ラジオ」が復活して、今朝は「公的」と「私的」という論件が採り上げられた。 ぼくもそれについて高橋さんに追随して言いたいことがある。 まず、高橋さんの「ラジオ」から全文を引用。 「尖閣諸島」問題(中国にとっては「釣魚島」問題)でマスコミに「売国」の文字が躍った。「尖閣諸島はわが国固有の領土」といってる首相が「売国奴」と呼ばれるのだから、「中国のいってることにも理はあ...
内田ゼミのみなさまへの業務連絡 10 Oct 2010 | 12:57 pm
内田ゼミ在校生&わりと最近の卒業生のみなさま こんにちは。内田樹です。 お元気でお過ごしですか。在学中のアドレスで連絡網回します。もうそのアドレスは使われていない・・・ということも多いと思いますので、同期のおともだち同士で「メール来た?」と確認しておいてくださいね。 さて、私は2010年度末をもって21年間つとめました神戸女学院大学を定年退職することになりました(ちょっとはやいけど、選択定年...
ヴァーチャル奉祝記事 8 Oct 2010 | 11:05 am
今年も書きました、ノーベル文学賞予定稿。そして、今年も使われませんでした(泣)。 来年こそは使って欲しいですね。 村上春樹さんのノーベル文学賞受賞を祝う 村上春樹さんが今年度のノーベル文学賞を受賞した。「ようやく」という感じがする。 毎年この時期になるとメディアから「受賞予定稿」を求められる。だから、このセンテンスを書くのもこれで六回目である。もちろんこれも予定稿。『1Q84』が現実の.....
クリエイティブ・ライティングの告知 29 Sep 2010 | 09:56 pm
明日から、クリエイティブライティングの授業が始まります。私が大学で講じる最後の講義科目です。 というわけですので、ちょっと気合いを入れて、ノートなんか作ってみました。 とりあえずはシラバス的なのを。 教育目的 今年度の「クリエイティヴ・ライティング」は「言葉を使う」という営みそのものを根底的に問い直すことから始めたいと思います。 私たちはごく自然に自分は言葉を使って「言いたいことを表現す...
Untitled 29 Sep 2010 | 08:53 pm
めぐみ会の浜松支部で公開講演会をやります。 ご近隣にお住まいのかた、どうぞお越しください。 2010年度 神戸女学院めぐみ会静岡支部 公開講演会 演題* 『 生き延びる力 ~成熟した社会を目指して~ 』 日時* 2010年10月23日(土) 講演会 13:30~15:00(開場12:30~) 懇談会(質疑応答あり、ケーキ・お茶付き)15:00~16:00 会場* グランドホテル浜松 ...
大きな物語の復権 29 Sep 2010 | 07:35 pm
FM東京からの電話取材で「マルクスブーム」についてお話する。 「今どうしてマルクスなのか?」 ってさ、この定型的なタイトルなんとかなりませんか・・・ まあ、よろしい。 どうして、私たちは今ごろ「マルクス本」を書いたのか。 それについては『若マル』の中に縷々書いたので繰り返すの面倒だが、やはり最大の理由は「グランド・セオリーの復権」という思想史的な軌道修正である。 「グランド・セオリーの...
「あの、ちょっと」な本について 27 Sep 2010 | 07:48 pm
大学に来てメールボックスをチェックするとき、いちばん頭が痛いのが、「献本」である。 自分もずいぶんたくさんの人に本を送りつけているので、人のことは言えないのだが、それは友人知人宛てであって、見知らぬ人に送るということはしない。 もちろん、編集者が独自の判断で送るということはある。各紙の書評担当者に送るとか、あるいは一読して激怒、私に筆誅を加えそうな書き手にも送ることがある(そうすれば書名が繰り返し...
外交について 26 Sep 2010 | 01:28 pm
尖閣列島近海での巡視船と中国漁船の衝突事件をめぐって、日中の外交関係が緊張している。 外交関係の要諦は「自国の国益を守る」という目標をできるかぎり遠く、広い射程でとらえることである。 日本の場合の「国益」と中国の場合の「国益」理解は深度も射程もずいぶん違う。 そのことを勘案せずに、「同じようなことを考えている」二国が綱の引き合いをしていると考えると、外交交渉は行き詰まる。 日本と中国はこの...