Booklines - booklines.net - booklines.net
General Information:
Latest News:
鍵のない夢を見る / 辻村深月 27 Aug 2013 | 05:00 pm
どうか彼が死刑になりますように。 どうか彼が、死刑になりますように。 あなたが生きる世界は、この世のどこにもない。 どこにでもいるような、普通の人たちが、ささやかな幸せを望んでいただけなのに、ふと魔が差してしまった、そんな女性の心理を描く五編からなる短編集。第147回直木賞受賞作品。 ありふれているからこそ、一歩踏み込んでしまった人たちの心は、ゾクッとさせられるものがあります。怖さもあるん...
放課後四重奏(2) / 高木幸一 26 Aug 2013 | 05:01 pm
「じゃあどこか行くとして、どこに行くんだ？」 「……。そうね。やっぱなんか、いかにも恋人同士が行きそうな……。えっ!?」 「言ってしまったものはしょうがないし、計画上、やったほうが無難だろう。それにふたりだけで出かけたことは、なかったから、……今の、この状況は……、ちょうどいい機会かも……とも思ってな」 協調性の無い灰堂が、ひっそりとした高校生活を過ごすために立ちあげたSL会に、三人の女の子...
ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 / 物草純平 25 Aug 2013 | 05:00 pm
「貴様のような人種は、皆揃って似たようなことを言う」 「『いずれ』『いつか』『きっと』『必ず』『未来』『明日』――まるで素晴らしい夢でも語るように、この先には無限の展望が開けているのだと、なんの根拠もなく口にする。だが、貴様は本心からそう思っているのか？掛け値なしに『いずれ』は来る、と」 好きラノの2013年上半期の結果を見て手に取ってみました。 十八世紀半ば、突如として謎の巨大生物「蟲」が...
プロメテウスの涙 / 乾ルカ 24 Aug 2013 | 05:00 pm
――娘がこんなになっているのに、どうして何もしてくれなかったの？ ――医者なのに、何も出来ないの？ そういう目だった。 精神科医の北嶋涼子の元に、かつての同級生が訪れてきた。彼女の子供・あや香が、時折奇行をするようになったというのだ。チック症を疑い、だが一向に良くならない症状に、母である同級生は焦りを隠せない。悩んだ涼子は、大学で共に学び、いまはアメリカで医師をしている親友・浅倉裕美に相談し...
サエズリ図書館のワルツさん(2) 23 Aug 2013 | 05:00 pm
「本を知りたいって思ったんです」 「本を？」 「本の、価値を、知りたいんです」 物語はデータとして読まれ、紙の本は好事家ぐらいしか手に取らなくなった世界で、紙の本の私立図書館を運営するワルツさんと、彼女を取り巻く人々を描いたシリーズの第二弾。今回は、就職活動がうまくいかず、自分のやりたい仕事はなんなのかと悩むチドリさんが、さえずり図書館でボランティアをするお話です。 ああ、じんわりとくるな...
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(1) 22 Aug 2013 | 05:00 pm
「シャールくん、きみがグリンダの代わりに、エーレンの国王一家の家庭教師になってください」 「無理！絶対無理！」 さんざん主張した。 「双子っていっても、グリンダは女で、僕は男だぞ！」 「それは存じていますが、この国家的大事の前では、ささいなことです」 好きラノの2013年上半期の結果を見て手に取ってみました。 ウィストリア皇国の誇りである万能の天才グリンダ・ドイルは、西の国エーレンとの...
英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! / 久賀理世 21 Aug 2013 | 05:00 pm
「ならばなぜ、セシルのパートナーとして働くことを承知したりしたのだ？」 「きみがそれを訊くのかい、ダニエル？」 「なに？」 「だってぼくがそばについていれば、いざというときに彼女を守ることができるじゃないか」 19世紀、大英帝国の首都―ロンドン。探検家の当主が亡くなったアッシュフォード子爵家は、長男ダニエルが後を継ぎ、長女のセシルは、顔も知らぬダニエルの親友ジュリアンと婚約することになった...
WILL / 本多孝好 20 Aug 2013 | 05:00 pm
「でも、死者が出歩いているっていうのなら、放ってはおけない」 「どうして？」 「私の仕事は？」 「葬儀屋」 「そう。死者を眠らせるのが私の仕事だよ」 事故で両親を亡くし、家業の葬儀店を継いだ森野。それから11年前が経ち、30に手が届きそうになった頃、高校の同級生から、父が亡くなったので葬儀をしてほしいという依頼があった。同級生とは言え、それほど付き合いがなかった相手に頼むのはなぜかと思い...
ダブル・ジョーカー / 柳広司 19 Aug 2013 | 05:00 pm
他国での長期潜入任務を命じられたスパイは、周囲の者たちの信頼をかち得、また疑惑の念を抱かせないよう、現地で妻を娶り、家族を作る。そして任務終了後は直ちに、妻にも、家族にも一言も告げず、ある日忽然と姿を消すことになる。 家族の絆などはじめから存在しない。 誰も信じるもののいない、絶対の孤独の中の任務だ。 太平洋戦争に突入する前の大日本帝国。陸軍上級将校である結城中佐が設立したスパイ養成学校「D...
放課後四重奏 / 高木幸一 18 Aug 2013 | 05:00 pm
「あのな。お前は勘違いしているが……、俺はお前に限らず、他人のことなんか、これっぽっち興味がないんだ」 寮を出て、高校の旧公務員室に住んでいる灰堂青は、協調性を育むために、部活に入るよう担任に命じられた。なるべく人とかかわらないようにと考えた灰堂は、生徒の悩み相談室という建前の同好会を作り、ひっそりと過ごそうとしたが、部室には人体模型を相手に告白の練習をする少女がいて。さらには、こんな怪しい同好...
