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オラトリオ《アレクサンダーの饗宴》 27 Aug 2013 | 01:45 am
ヘンデルのオラトリオ《アレクサンダーの饗宴》を聴いた(モーツァルテウム、ザルツブルク)。 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、モーツァルテウム管弦楽団の演奏、独唱者は、ソプラノがハナ・モリソン、テノールがマウロ・ペーター、バスがコンスタンティン・ヴォルフ。 この曲はオラトリオだが世俗オラトリオで、くだけて言えば、ヘンデルはイギリスでイタリア語台本のオペラをずっと書いてきたのだが、なぜかそれが...
《ノルマ》 26 Aug 2013 | 01:16 pm
ベッリーニ作曲のオペラ《ノルマ》を観た(ザルツブルク、モーツァルト劇場) モーツァルト劇場というのは祝祭小劇場ともモーツァルト・ハウスとも呼ばれ、祝祭大劇場の並びにある劇場である。当然ながら、祝祭大劇場と比べると1まわりも2まわりも小さい。 ノルマを演じるのはチェチーリア・バルトリで、この人はアジリタ(早く転がすようなパッセージ)の超絶的な技巧を持っているのだが、声量はあまり大きくないのでこの...
《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 25 Aug 2013 | 01:10 pm
ワーグナーのオペラ《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を観た(ザルツブルク、祝祭大劇場)。 筆者は、ワーグナーに関してのみ楽劇という言葉を用いることはしていません。なぜなら、バロック時代のオペラやモーツァルトのオペラもオペラと呼んでいるのは後世の人間であるからです。たとえば、オペラ・ブッファという言葉も総称にすぎず、オペラ・ブッファに分類されそう呼ばれる当の作品がオペラ・ブッファと名乗っている...
《コシ・ファン・トゥッテ》 25 Aug 2013 | 12:46 pm
モーツァルトのオペラ《コシ・ファン・トゥッテ》を観た(ザルツブルク、モーツァルト劇場)。 指揮が変更になってエッシェンバッハ。ひさしぶりに聴くウィーン・フィルの響きは、モーツァルトの音楽に実によくあう。古楽器・ピリオド楽器による演奏もよいのだが、やはりウィーン・フィルの響きは別格である。無論、ウィーン・フィル自体にまったく変化がないというつもりはないが、弦楽器の柔らかさ、ホルンなどで古い楽器を使...
マチェラータ音楽祭の収支 17 Aug 2013 | 12:22 pm
マチェラータのオペラフェスティヴァルの今年の収支が報告されているので紹介する(Corriere Adriatico, 8月12日)。 マチェラータのオペラ・フェスティヴァルのみでなく、どこのオペラ・フェスティヴァルでも、さらにはどこのオペラ劇場でも経営の問題は非常に厳しいという声をしばしば聞く。 以下、記事の要約。 7万ユーロの増収。2013年マチェラータ・オペラ・フェスティヴァルは、プライ...
《ランスへの旅》 16 Aug 2013 | 09:17 pm
ロッシーニのオペラ《ランスへの旅》を観た(ペーザロ、ロッシーニ劇場)。 いつもの演出で、新人の登竜門となる演目である。 今年は日本人が2人出ている。 Ueda Seiji さんとKusuda Mai さんである。 Ueda さんはこの日はアントニオ役(13日はドン・アルヴァーロ役)、Kusuda さんは両日ともモデスティーナ役で、最後の場面で記念写真を撮る役柄だった。 指揮のダニエル・ス...
マイケル・スピアーズのリサイタル 16 Aug 2013 | 10:48 am
マイケル・スピアーズのリサイタルを聴いた(ペーザロ、アウディトリウム・ペドロッティ)。 この人は去年のROF では《バビロニアのチーロ(キュロス)》でバルダッサーレを歌った。不思議な声で、バリトンのような低めの響きを持ち、かつ低い音までしっかり出るのだが、高い音も出る(ごくまれにくるしそうな時もある)。 曲目は次の通り。 A.Stradella – “Se i miei sospiri” A...
《アルジェのイタリア女》 15 Aug 2013 | 12:20 pm
《アルジェのイタリア女》を再び観た(ペーザロ、ロッシーニ劇場)。 こちらは、相変わらず芸達者なエスポジトをはじめとする踊って歌える歌手陣の演技と歌唱がはじけていた。 興味深かったのは、リヴェルモ−ルは細かく演出に変更を加えてきたことだ。 1.初日には男性合唱団(ムスタファの部下たち)がみな銃を持っているのに一人だけ持っていない部下がいて、まわりの人間もそれを指摘する仕草をするのだが、それが何...
《ギヨーム・テル》 15 Aug 2013 | 12:05 pm
《ギヨーム・テル》を再び観た(ペーザロ、アドリアティック・アレーナ)。 ロッシーニの最後の作品の音楽的充実は喩えようがない。ドニゼッティは1幕、3幕、4幕はロッシーニが書いたが、2幕は神が書いた、とまで言ったそうである。 たしかに、音楽は優雅な部分、激しい部分、ロマンティックな部分がありながら、どれかの要素が過剰になって破綻をきたすことはなく、充実しつつ均整を保っている。 二回観ると、ヴィッ...
《なりゆき泥棒》 14 Aug 2013 | 01:11 pm
ロッシーニのオペラ《なりゆき泥棒》を観た(ペーザロ、ロッシーニ劇場)。 ジェン・ピエル・ポネルが1987年にROFのためにつくったプロダクションの再演である。当時、ポネルの助手だったソニア・フリゼルが演出にあたっている。 このオペラはファルサというジャンルに属している。ファルサは、上演時間が60分から90分ほどの1幕もののお笑いオペラである。 このオペラでは2人の紳士が旅の途中で、ある宿屋で...