Kinokuniya - booklog.kinokuniya.co.jp - 書評空間::紀伊國屋書店 プロの読み手による書評ブログ

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『「大東亜共栄圏」と日本企業』小林英夫(社会評論社) :早瀬晋三の書評ブログ 27 Aug 2013 | 06:00 am

→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書は、序章と7章からなり、書き下ろしの序章と補足した第七章を除いて、大幅な書き換えをおこなっていない論文集である。著者、小林英夫は、本書の目的を、つぎのように説明している。「一八九五年の日清戦争後に台湾を領有して以降、一九四五年にアジア太平洋戦争に敗北するまでの約半世紀間、日本は東アジア植民地帝国として、この地域の政治・経済・社会生活に大きな影響を与えてきた。本書...

『バッカイ バッコスに憑かれた女たち』エウリーピデース(岩波書店) :森一郎の書評ブログ 24 Aug 2013 | 11:09 am

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「好奇心は人間を破滅させる」 新訳なら古典だってよかろうと――『ビリー・バッド』を扱った前回に味をしめて――、先ごろ岩波文庫から出たエウリピデス(ギリシア語人名の長音は以下省略)の傑作悲劇を選ぶことにした。新訳と言っても、刊行されて早二十年以上経つ岩波書店版『ギリシア悲劇全集 9』所収の逸身喜一郎訳を、改訳し文庫化したもの。私が親しんできたちくま文庫版(『ギリシア...

『富士山にのぼる』石川直樹(教育画劇) :管啓次郎の書評ブログ 23 Aug 2013 | 08:27 pm

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「彼の後について、富士に登ろう」 石川直樹といえば、いまや押しも押されもせぬ日本の代表的冒険家のひとり。そして彼には、他の冒険家の追随を許さない点が、少なくとも三つある。まず彼はすぐれた写真家でもある。ついで、文章が書ける、しかもきわめてよく。そして山に登るのみならず、海を漕ぎ、空を飛ぶ(少なくとも飛んだ、熱気球で)。比類ない遍在ぶり。 その冒険家としてのキャリ...

『オットー・クレンペラー あるユダヤ系ドイツ人の音楽家人生』エーファ・ヴァイスヴァイラー(みすず書房) :根井雅弘の書評ブログ 21 Aug 2013 | 02:02 am

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「現代音楽から古典音楽の大家へ―クレンペラー没後40年」 今年はドイツの名指揮者オットー・クレンペラー(1885-1973)の没後40年の年でもある。クレンペラーといえば、私がクラシック音楽を聴き始めた頃は、ベートーヴェン、ブラームス、ヴァーグナー、ブルックナー、マーラーなど、ドイツ=オーストリア系の音楽の大家のように扱われていたが、若い頃は、現代音楽を積極的に取...

『コレクションさん』古川日出男+後藤友香(青林工藝舎) :管啓次郎の書評ブログ 20 Aug 2013 | 05:29 pm

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「絶望を集めてまわる、そんな小学生の冒険は?」 小説家・古川日出男が、マンガ家・後藤友香と組んで、初の絵本を発表した。生まれたのは、東日本大震災以後の日本語の表現世界に独自の位置を占めるにちがいない、感動的な傑作だ。 「コレクションさん」に転身するのは、ランドセルをしょった小学生。彼が隣の学区、別の町へと境界を越えたときから、冒険がはじまる。誰もいない町で出会っ...

『はじめて学ぶ日本外交史』酒井一臣(昭和堂) :早瀬晋三の書評ブログ 20 Aug 2013 | 06:00 am

→紀伊國屋ウェブストアで購入 本書を読むキーワードは、「文明国標準」と「社会外交史」である。著者、酒井一臣は、「序 外交史をまなぶ【「今」を理解するために】」で、それぞれの見出しの下に、つぎのように説明している。 「文明国標準」:「19世紀には、西欧地域の優位が決定的になり、西洋文明こそが「正しい」人類の発展経路であり、西洋人=白人がほかの人種より優れているという認識が定着していった。西欧諸国...

『Cults in Our Midst』Margaret T. Singer(Jossey-Bass Inc) :アメリカン・ブックジャム:秦隆司/宮家あゆみ 17 Aug 2013 | 04:24 pm

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「アメリカのカルト集団についての本」 最近、たて続けにアメリカの「カルト」に関わる本を読んだ。アメリカのカルト集団というと、1997年3月26日、宇宙人が自分たちを迎えにきたと告げ集団自殺をしたヘブンズ・ゲイトや、テキサス州ウエイコでFBIと対立し、最後には教会に火をつけ信者たちを殺し、自分も死んだコレッシュ率いるブランチ・デイビアンなどがある。 今回読んだ1冊...

『資本理論とケインズ経済学』J・ロビンソン(日本経済評論社) :根井雅弘の書評ブログ 16 Aug 2013 | 10:53 am

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「ジョーン・ロビンソン没後30年」 今年は、イギリスの女性経済学者ジョーン・ロビンソン(1903-83)没後30年の年に当たっている。ケインズの愛弟子のひとりで、生前は「ノーベル経済学賞」(注1)の受賞候補に何度も挙げられながらも、結局、その栄誉に浴することはなかった。彼女はみずから「左派ケインジアン」と名乗ったいたが、「左翼」であること自体は、いまの時代にはとく...

『和歌とは何か』渡部泰明(岩波書店) :阿部公彦の書評ブログ 14 Aug 2013 | 03:36 pm

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「和歌と演技」 〝和歌語り〟は一つのジャンルである。呼吸がちょうどいいのだろう、ふと和歌をのぞいて賞味しては、「ふむ」と一呼吸置いてからおもむろに地の文に戻るという流れが、ある種の読書にぴたりとはまる。ぐんぐん、ずいずい読むのではない。ぱらぱら、はらはら読む。岩波新書だけをとっても、斎藤茂吉の『万葉秀歌』(上下)や大岡信の『折々のうた』シリーズなど短詩型に焦点をあ...

『和歌とは何か』渡部泰明(岩波書店) :阿部公彦の書評ブログ 14 Aug 2013 | 03:36 pm

→紀伊國屋ウェブストアで購入 「和歌と演技」 〝和歌語り〟は一つのジャンルである。呼吸がちょうどいいのだろう、ふと和歌をのぞいて賞味しては、「ふむ」と一呼吸置いてからおもむろに地の文に戻るという流れが、ある種の読書にぴたりとはまる。ぐんぐん、ずいずい読むのではない。ぱらぱら、はらはら読む。岩波新書だけをとっても、斎藤茂吉の『万葉秀歌』(上下)や大岡信の『折々のうた』シリーズなど短詩型に焦点をあ...

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